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 ロシア号3日目の朝、今日は昨日までと異なった時間帯に入ります。新潟を発ってウラジオストック入りしたときに、時計の針を1時間進めましたが、今朝、1時間戻し、これで、日本と同じ時間帯に入りました。
 湯沸かし器からお湯をもらい、車内の洗面所で、体を拭いたり、シャンプーをしたり、さっぱりした後、今朝は個室内で日本から持参の食料で、朝食です。
 やがて、夜が明けてきますが、昨日までとはうってかわって、どんよりとした曇り空です。今日は、午前中、車内探検に歩いてみることにしました。途中、天候は崩れ、吹雪となりました。
 昼すぎになると、吹雪も収まり、快晴の空です。長い停車時間の駅では、ホームに降り立ち、外の空気を肌で感じ事にしました。沿海のウラジオストックでは氷点下の気温ながら、一桁を超える事はありませんでしたが、内陸に入るにつれ、気温はぐんぐん下がり。車両の中で表示される外気温は一時マイナス40度に!。途中の駅でもマイナス30度です。寒いというより、即痛いというか、外気に触れるところは、次第に感覚がなくなっていきます。
 
 昼食は、駅売りで済ませたので、夕食は食堂車に行ってみました。相変わらず客は少なく、食堂従業員が食事をしているだけでした。前菜にはサーモン・キャビアと英語で表示されている一品を頼みました。ロシア語しかわからない食堂のウエイトレスはイクラね、といいました。イクラはロシア語だったのです。メインには肉料理を食べたかったのですが、期待したストロガノフはなし。それではステーキと思いましたが、肉料理で注文できるのは、ボイルド・ビーフのみでした。これにはピラフが付いていたのですが、まるで家庭で作るような焼きめしです。醤油をかけて炒めて欲しいようなピラフもどきでした。合計750ルーブル。
 部屋に戻って、気を取り直して、ワインやおつまみでパブ・タイム。なかなか思うように食事が取れず、ルーブルだけが財布から去っていくロシア号の食堂車です。

食堂車は9時からなので朝食は日本からもってきた食料で済ませた。 途中の駅では、かつて活躍したであろうSLが展示保存されている。 ロシア号は1日数回、20〜30分停車がある。水などの補給の他、必ず乗務員が客車の足回りを点検している。
一応、売っているときは熱いのだが・・・・ 車室に冷蔵庫はないが、窓側においておけば、保冷される。気をつけないと凍ってしまうが・・・。
今日は昼には駅売りのオバサンから水餃子を買った。 自分の部屋に持ち帰るまでに、端から凍って行く。もう一度、車内のサモワールでお湯をもらい、温めないと食べられない。 こちらはロシア国鉄の新標準色。但し、車両は石炭ストーブのみの旧型。
ロシア号の編成
ハバロフスク30分停を利用して、ロシア号の編成調査。1両目は新標準塗装の荷物車。 2両目、こちらはロシア号塗装の荷物車。 3両目、こちらも荷物車。
4両目、1号車、3等寝台車。1区画8名で、9区画合計72名の定員。 5両目、2号車、3等寝台車。こちらも新標準色。 3等寝台車に乗車中のロシア国民。明るく人懐っこく、みんないい人ばかり。
旧型の3等寝台車に乗車中のホッケーチームの中学生。ごらんのように通路の左側長手方向に3段ベッド、そして右側には上下3段のベッド。 6両目、3号車。2等寝台車、ここから個室寝台となる。1室上下2段向かい合わせで4人部屋が9室、定員36名。 7両目、4号車、2等寝台車。ロシア号のロゴが車体に描かれた専用車両。
8両目、5号車、2等寝台車。外開きドアの新型車両が続く。

9両目、6号車、2等寝台車。このあたりからホームに屋根があるので、ちょっと不鮮明。

2等寝台車の昼の状態。夜は座席の背もたれを倒すと下段、その上に格納された冗談がある。
10両目、7号車。編成中唯一の1等寝台車。2人部屋が9室で定員18名。ただし2等寝台車の上段をたためば、1等寝台車と同じつくりなので、1等寝台の需要が多ければ2等寝台を部屋単位で1等に変更できる。 新型車両の個室内にはAC220Vのコンセントがあり、ラップトップPCやカメラのバッテリー充電などに使える。携帯電話もほぼ全区間で使用可能だ。 長い廊下の片側に車室が並ぶ1・2等寝台車。
11両目、食堂車。1・2等寝台車は新型の外開きドアだが、食堂車は内側に開く旧型車。 モスクワはMockba、この位が理解の限界で、食堂車レストランはPECTOPAHで、この綴りでレストランと発音! 食堂車の入り口には営業時間が掲示されているが、朝9時から、というのはちょっと遅い。
装飾が施され、乗客を迎える準備は万端さのだが・・・。 乗客の姿を見ることは1回もなかった食堂車。常に列車従業員のくつろぎの場であった。 食堂車の一角には売店もある。
売店には飲み物やスナック類が販売されているが、価格が高いのか、乗客の姿はまばら。 きれいにテーブルセッティングされているが、ご覧の赤いナプキンは着席するなり引き上げられ使用できない不思議なシステム。 12両目、移動制約者用個室や乗務員用シャワーを備えた2等寝台車。ロシア号の食堂従業員なども使用していた。
シャワールームの脱衣所にはリネンが山積み。
一度だけ、使わせてもらったが、ふんだんにお湯が出る快適なシャワーだ。 13両目、こちらはハバロフスクで連結されたロシア号色の3等寝台車。ドアが内開きの旧型車両で、定員81名。 新型車両は電気暖房を使うが、万一の場合に備えて石炭ストーブも用意されている。
各地で線路のメンテナンスが行われており、どんなに寒くても、雪が降っても、列車の運行が滞りないように、とがんばっている。 時々、橋梁を通過するが、河は凍っており、道路として使われているのか、轍が続く。 まさか、この丘の向こう側が境ではないだろうが、モンゴルとの国境沿いを進む。
陽が沈みかける頃、長大貨物列車に抜かれるためか、大きめの駅に停車。 外に出るときは、完全防備の防寒体制での出陣となるが、他にする事もないので、人々が降りてくる。 食堂車の売店が開店休業状態になる原因が沿線の駅の売店。こちらのほうが何でもあり、安い。
人々がホームにいる間は、列車は動き出さないが、そもそも、1週間もかかる長距離列車がダイヤ通り運行されているのも驚く。 立派な駅舎があるところから、沿線の中核都市に停車している事がわかる。 吹雪が収まったので21分停の駅(駅名読めない)で、再び機関車を見に行った。
こちらは、作業用の列車だろうか・・・、珍しいディーゼル機関車が牽引している。 夕食は食堂車へ。まずはイクラ(ロシア語でも同じイクラと発音)を・・・。 人生で初めてお目にかかった、ボイルド・ビーフ。なんでステーキにしないんだろうか・・・。
4.ロシア号 車内探検 第3日目
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